これまではコラム的な内容でしたが、たまには技術的なことも書いてみようかと。
というわけで、今回はベイヤー配列について取り上げてみようと思います。
ベイヤーといってもなんのことやら?という方のほうが大多数だと思います。
でも、実はデジタルカメラの世界では非常にメジャーなもので、みなさんがお持ちのデジカメの殆どの撮像素子で使われている技術です。
光の三原色が赤、青、そして緑だというのはご存じの方もいらっしゃるでしょう。
デジカメもこの三色を組み合わせて画像になってるんです。
実際の画像は一画素がこの三色の比率で出来上がってるわけですが、実際の撮像素子は一画素一色というのが原則です。
そのため、画素の色を正確に再現することはできず、これを近くの画素から色をもらってきて擬似的に再現してるんです。
もちろん、その場合、なるべく近いところから色を「借りてくる」必要がありますから、そのための色の配置の仕方が「ベイヤー配列」というわけです。
ここで厳密な理論の話をしても仕方ないので、ブラウン管や液晶テレビを拡大してみると、実は赤、青、緑で構成されてるのと似たようなものだと思っていただければ大体良いかと。
参考までにベイヤー配列のままの画像が掲載されているのを見つけたので、これを拡大してみてもらえると、なかなか興味深いかと思います。
(海外のpentaxforums.comより引用)
さきほども書いたように色を借りてきてるわけですから、実はこのままでは大きな問題が起きてきます。
とても細かな柄だと、借りてきた場所が実は別のもの、ということがあって、間違った色、いわゆる偽色が発生してしまいます。
これを避けるために「近所も似た色になってもらう」という回避策が取られます。
このために装備されてるのが光学的なぼかしといっても良い「ローパスフィルタ」というわけです。
こういったこともあって、画素数が膨大であるのに、いまいちシャッキリしない絵になってしまう理由のひとつ(実はもっと複雑なんだけれど、ここでは割愛)となっているといっても良いでしょう。
もちろん、これではダメだと考える技術者やメーカーもあり、プリズムなどで色を分離して3つの撮像素子で別々に処理する3CCD方式とか、一画素で三色を扱えるようにしたFOVEONといった別の技術もあります。
しかし、これらも一長一短で、たくさんのメーカーが採用し、古くから研究が進んでいるベイヤー補間ほどの勢力には至っていないのが現状です。
それ以外のメーカーも研究は進めていて、ローパスフィルタの代わりに画像処理で偽色を低減(ライカなどが積極的)したり、ベイヤーの特徴を残しつつ、赤と青の出現頻度をもう少しランダムにしたpseudo-random Bayer(ソニーさんが手がけてるみたい)とか、ハニカム配列(オリンパス富士フイルムさん、ソニーさん)、そして有機三層(キヤノンさん、富士フイルムさん)といった具合です。
しかし、なかなか思ったような成果が出てこないのは、それだけ難易度も高いということなのでしょう。
ベイヤー配列はKodakの技術者、ブルース・ベイヤーさんが1970年代に開発したもので、まだそれを超えられないというは、それだけ偉大な配列ともいえるのでしょうね。
ただ、それをすでに実現しているFOVEONという存在もあるわけです。
これもいろんな問題は抱えているものの、FOVEONが採用されたシグマのデジタルカメラはマニアの間では高い人気になっています。
もちろん、銀塩フィルムは最初から「三層」(実際にはもっと多かったりする場合もあります)を持ってるわけで、その点ではまだまだフィルムに一日の長があると思うのは私が銀塩贔屓だからでしょうか。
というわけで、今回はベイヤー配列について取り上げてみようと思います。
ベイヤーといってもなんのことやら?という方のほうが大多数だと思います。
でも、実はデジタルカメラの世界では非常にメジャーなもので、みなさんがお持ちのデジカメの殆どの撮像素子で使われている技術です。
光の三原色が赤、青、そして緑だというのはご存じの方もいらっしゃるでしょう。
デジカメもこの三色を組み合わせて画像になってるんです。
実際の画像は一画素がこの三色の比率で出来上がってるわけですが、実際の撮像素子は一画素一色というのが原則です。
そのため、画素の色を正確に再現することはできず、これを近くの画素から色をもらってきて擬似的に再現してるんです。
もちろん、その場合、なるべく近いところから色を「借りてくる」必要がありますから、そのための色の配置の仕方が「ベイヤー配列」というわけです。
ここで厳密な理論の話をしても仕方ないので、ブラウン管や液晶テレビを拡大してみると、実は赤、青、緑で構成されてるのと似たようなものだと思っていただければ大体良いかと。
参考までにベイヤー配列のままの画像が掲載されているのを見つけたので、これを拡大してみてもらえると、なかなか興味深いかと思います。
(海外のpentaxforums.comより引用)
さきほども書いたように色を借りてきてるわけですから、実はこのままでは大きな問題が起きてきます。
とても細かな柄だと、借りてきた場所が実は別のもの、ということがあって、間違った色、いわゆる偽色が発生してしまいます。
これを避けるために「近所も似た色になってもらう」という回避策が取られます。
このために装備されてるのが光学的なぼかしといっても良い「ローパスフィルタ」というわけです。
こういったこともあって、画素数が膨大であるのに、いまいちシャッキリしない絵になってしまう理由のひとつ(実はもっと複雑なんだけれど、ここでは割愛)となっているといっても良いでしょう。
もちろん、これではダメだと考える技術者やメーカーもあり、プリズムなどで色を分離して3つの撮像素子で別々に処理する3CCD方式とか、一画素で三色を扱えるようにしたFOVEONといった別の技術もあります。
しかし、これらも一長一短で、たくさんのメーカーが採用し、古くから研究が進んでいるベイヤー補間ほどの勢力には至っていないのが現状です。
それ以外のメーカーも研究は進めていて、ローパスフィルタの代わりに画像処理で偽色を低減(ライカなどが積極的)したり、ベイヤーの特徴を残しつつ、赤と青の出現頻度をもう少しランダムにしたpseudo-random Bayer(ソニーさんが手がけてるみたい)とか、ハニカム配列(
しかし、なかなか思ったような成果が出てこないのは、それだけ難易度も高いということなのでしょう。
ベイヤー配列はKodakの技術者、ブルース・ベイヤーさんが1970年代に開発したもので、まだそれを超えられないというは、それだけ偉大な配列ともいえるのでしょうね。
ただ、それをすでに実現しているFOVEONという存在もあるわけです。
これもいろんな問題は抱えているものの、FOVEONが採用されたシグマのデジタルカメラはマニアの間では高い人気になっています。
もちろん、銀塩フィルムは最初から「三層」(実際にはもっと多かったりする場合もあります)を持ってるわけで、その点ではまだまだフィルムに一日の長があると思うのは私が銀塩贔屓だからでしょうか。
ハニカム配列は富士フィルムだと思っていました。
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投稿情報: ルート134 | 2011/04/02 01:50
ルート134さん、コメントありがとうございます。
ハニカムというと富士フイルムのイメージのほうが強いですよね。
オリンパスも特許が出ていたと思ったのですが、出展がわからなくなったので、修正いたしました。
ご指摘、大変ありがとうございます。
なお、ハニカム配列はフジ、ソニーなどから特許が出てるようです。
投稿情報: MacBS | 2011/04/02 12:23